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相談事例集 |
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■相談事例122: ネット申し込みの宅配クリーニング(契約内容など十分確認して)
去年買ったブランド品のダウンコートをクリーニングに出したいと思い、スマートフォンで宅配クリーニングの業者を探した。県外業者だがインターネットで依頼できて、専用の袋にコートを入れて宅配便で送れる業者をみつけた。シミ抜きと着用時期までの無料保管も依頼し、料金は口座振込みで支払った。しかし、戻ったコートを見ると、シミがあった部分に擦り傷ができ、袖口や裾に色むらが出ていた。クリーニング店とは3ヶ月以上もメールや電話で話し合っているが、クリーニングによるものではないと言って対応しない。補償希望。(20代、男性) |
インターネットで申し込み、衣類の受け渡しは宅配業者が行う宅配クリーニングと呼ばれる形態が全国的に増加しています。好きな時に注文できるし、衣替えの季節など大量の衣類を店舗に運んだり取りに行く必要もないなど便利です。しかし、消費者とクリーニング業者が直接対面しないため、事例のように傷やシミについて双方でチェックができないケースや、品物の確認が不十分で一部衣類を紛失するケース、宅配業者が介在することによる衣類のき損などの問題が起きています。 事例の相談については、当センターでコートを確認したところ、コートのタグには「擦れによって筋状の変化が起こる、すすぎが十分でないとシミになることがある」と書いてありました。メーカーにクリーニング店から聞き取りした洗濯方法を説明して見解を求めたところ、傷の原因は特定できないが擦れによると思われること、また乾燥時間が長いため裾などに汚れがたまり色むらになったのではないかと回答がありました。 このメーカー回答をクリーニング店に伝えて交渉した結果、クリーニング店独自の賠償基準に基づきコートの購入代金の5割を賠償することになりました。 クリーニングトラブルは原因特定が難しく解決困難な場合が多くあります。しかもインターネット申し込みの場合は一般的なクリーニング事故賠償基準ではなく業者の独自基準が適用されることになっています。宅配クリーニングを利用する際には契約内容や事業者の連絡先、賠償基準の内容などを十分確認しましょう。また、預ける衣類はリストを作り、シミなど気になる点は写真をとって事業者に伝えるとともに、その内容を控えておくことも大切です。困った時は、お住まいの市町の窓口や消費生活センターに相談してください。 |
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