|
相談事例集 |
|
|
|
■相談事例154: 賃貸住宅退去時のトラブル 〜契約内容 具体的に確認を〜
今月、5年間住んだアパートを退去した。敷金は家賃3カ月分の15万円を納めていたが、返金された額はたった1万円ほどだ。清算書をみると畳とふすまの張り替え、ハウスクリーニング代、鍵の交換のほか、カーテンレールや風呂のドアの補修費も算定されている。補修が必要なほど傷をつけた記憶はないし、退去時の掃除もきちんとした。納得がいかない。(20歳代、男性) |
●国土交通省の「原状回復のガイドライン」や裁判例、少額訴訟や調停の制度なども説明した上で、まずは家主と話し合うよう助言しました。具体的には契約書の内容の確認です。補修費用などの明細を家主に求め、ガイドラインに示された基準と照合し、納得できなければ苦情と返金要求を書面で行うよう伝えました。 |
●賃貸住宅の契約に関しては、住宅を退去する際に敷金返金を巡って家主とトラブルになったという相談が目立ちます。住宅の原状回復に関する双方の認識の食い違いがその原因のようです。
●国土交通省の「原状回復のガイドライン」によると、住宅の原状回復とは「借主が居住したことによる価値の減少のうち、借主の故意や過失などによって生じた損耗や毀損を復旧すること」です。さらに、「借主の通常の使用によって生じた損耗等(通常損耗)や建物・設備等の自然な変化・消耗等(経年変化)の原状回復費用は家主が負担すべきこと」「借主が修繕費用を負担すべき場合でも、補修工事が最低限可能な施工単位での費用負担が基本」という考え方が示されています。
●ただし、ガイドラインは個別の賃貸借契約に法的な強制力はないので、契約書の内容は民法や借地借家法などに抵触しない限りお互いの同意があれば法律上は有効になります。契約の際は契約書などの内容について十分に説明を受け確認しましょう。
●賃貸住宅への入居時・退去時は、業者立ち会いで不良箇所を確認したり、写真を撮影しておく、契約内容で不明な点は具体的に一つ一つ確認する、約束したことは契約書面に書き加えておくことなどが大切です。
※ おかしいなと思ったときは、すぐに最寄りの「消費生活センター」または「各市町相談窓口」にご相談ください。 消費者ホットライン 「188 (イヤヤ!)」 |
|
|