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相談事例集
 

相談事例209: 「賃貸住宅の退去トラブル」 〜引っ越しの季節 相談多数〜


大学生の娘が4年間住んだ賃貸アパートを退去することになり、父親の私と娘が退去の立ち会いをした。管理会社と一緒に確認した際には特に指摘はなかったが、後日、床や壁に傷やシミがあり、敷金だけでは不足しているとして、修繕費10万円の追加請求を受けた。指摘された傷やシミについて娘は普通に生活していただけで故意に汚した覚えはないという。高額の請求に納得がいかない。(50代、男性)


●全国の消費生活センターには毎年多くの賃貸住宅の契約に関する相談が寄せられます。特に、退去時に多額の修繕費を請求されたなど、原状回復費用をめぐるトラブルの相談が目立ちます。

●国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常使用による破損や経年劣化によるものは家主(貸主)の負担であり、入居者(借り主)が不注意で付けた傷や汚れなど、通常の使用方法を超える使い方によって生じたものは借り主の負担とされています。

●「改正民法では、このガイドラインの考え方が法律上のルールとして明文化され、経年劣化や通常の使用による損耗については、借り主の負担義務がないことが明記されています。

●賃貸住宅を借りるときは、トラブルを避けるために次の点に注意しましょう。
@入退去時は、できる限り家主や仲介業者などと一緒に部屋の現状を確認しましょう。その際、確認した内容をメモに残したり、修繕が必要と思われる箇所の写真を撮ったり、証拠となる記録を残すことが大切です。
A修繕費用を請求された場合、内容をよく確認し、納得できない点は家主側に十分な説明を求めましょう。
Bハウスクリーニングは借り主負担とするなどの特約は原則として有効となるため、契約前に契約書をよく読み、退去時の特約等を確認しておきましょう。

※ おかしいなと思ったときは、すぐに最寄りの「消費生活センター」または「各市町相談窓口」にご相談ください。

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