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相談事例集 |
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■相談事例68: オール電化
◆相談事例 先月、電話によるアンケート調査に協力したところ、営業員が訪ねてきて「IHクッキングヒーターが当たります」と言って抽選券を渡された。しばらくすると、「IHクッキングヒーターが当たりました」と言って再び営業員が訪ねて来て、「給湯器を含めてオール電化にすると、もっといいクッキングヒーターに格上げします。6人家族の電気代も年間12万円余も節約できます」と説明しそのシミュレーションを見せられた。 「月々のクレジット支払いは電気代節約分で払えます」と言われ、173万円の電気給湯器、IHクッキングヒーターを申し込んだ。しかし、15年間も払い続けるのは困難なので、解約したい。
(40歳代 男性) |
当センターで契約書面を確認したところ、法定記載事項に不備があったため、クーリング・オフの手続を助言し、解除を確認しました。また事業者には、販売目的を告げるよう販売方法の改善を求めました。 |
最近、「環境に優しいエコキュート」という言葉をよく耳にします。「エコキュート」とは、CO2冷媒ヒートポンプ給湯器に対する業界の愛称です。2005年2月16日に発効した京都議定書の目標達成に資する給湯器として説明される機会も増えてきました。 なお、京都議定書とは、1997年に京都で開催された第3回温暖化防止会議における合意書ですが、日本は2008年〜2012年までの約束期間に、温室効果ガス(二酸化炭素、メタンガス、代替フロンなど)の排出量を1990年レベルより6%削減することが義務づけられています。 給湯や調理のエネルギーを電力に求める「オール電化」の流れが強まるとともに、「オール電化」に必要な機械・器具の販売を巡って少しずつではありますが、トラブルの相談を受け始めています。 これまでの例では、支払期間中の故障に関するものがあります。今回の相談の場合も、総額約180万円を毎月約1万円ずつ15年間(180回)にわたって払い続けることになっていたのですが、電気器具が10年以上にわたってまったく故障しないということは大変珍しいことといえます。特に湿気、発熱、摩擦その他の負荷がかかりやすい部分はどうしても部品が早く消耗することは避けられません。その部品が廉価で簡単に交換できるときはともかく、部品が高価なうえ専門家でなければ修理できないようなときは裏切られた気持ちになるものです。高い買い物ですから、契約する際、傷みやすい箇所、部品交換の必要性とその費用、アフターサービスの有無などデメリットについても慎重に説明を受けるようにしてください。 他には、この相談でも強調されていますが、「光熱費の節約分でクレジット代金は払えます」というセールストークをうのみにするのは大変危険です。たしかに、購入する際の将来予測では説明通りなのかもしれません。しかし、日常生活には当初予想もしていなかったことが突発的に起こりえますし、試算した6人家族は将来減ることが考えられます。給湯器が故障した場合など光熱費はかからないかもしれませんが、修理費がそれ以上に嵩むことも考えられます。また、器具の減価償却費も考えて、支払いにはある程度の余裕財源を見込んで臨む必要があります。そうしないと、節約できた光熱費というのは新たな余裕財源として目に見える形で入ってくるわけではありませんから、給湯器を購入する以前の光熱費と、購入後の光熱費との差額を別会計にしておかないと、ついつい別の支出に充ててしまうことになり、結局、当初予測と異なり、徐々に家計の負担を増加させることになりがちだからです。 以上、「オール電化」に関して契約上の注意事項を概略記載しましたが、契約では契約書とともにセールストークの内容が大きな意味を持ちます。どのような説明を受けたかということを明らかにできるかどうかということは大変重要です。「説明と事実が違う」、「事実を故意に告げられなかった」、「性能について不確実なことを断定的に説明された」など「説明されていた内容とどうも違う」というような疑問が生じたときは、住所地の役場やもよりの消費生活センターにご相談ください。 |
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