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商品テスト情報 |
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プラスチック製食器
軽くて落としても割れない安価なプラスチック製食器は、乳幼児や子供のいる家庭ではよく使用されています。
しかし、安価で売られているため食器の品質や化学物質の溶出に対して不安に思う声が寄せられます。
そこで、100円ショップ、デパートで購入した商品をテストしました。 (平成11年10月購入)
■テストした商品は?
原料樹脂がABS樹脂、AS樹脂、スチロール樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン、メラミン樹脂の食器14銘柄をテストしました。
■正しい表示がないものも!
テスト商品は、合成樹脂加工品7銘柄、雑貨工業品7銘柄でした。家庭用品品質表示法で合成樹脂加工品は、原料樹脂の種類、耐熱温度、取扱い上の注意を、雑貨工業品は、品名、表面塗装の種類、素地の種類、使用上の注意を表示することになっています。取扱い上及び使用上の注意が表示されているのは9銘柄でした。合成樹脂加工品は「火のそばに置かない」旨の表示が必要ですが、表示平面が小さ いため4銘柄には表示がありませんでした。
食器の表示には表示者の氏名又は名称及び住所又は電話番号を表示しなければなりませんが、適正に表示されていないものが3銘柄ありました。
また、商品購入時に表示が付いていないものが1銘柄ありました。表示ラベルがはがれやすいので販売店が外したということでしたが、表示者、販売者ともに表示の取扱いについて改善が必要と思われます。
■購入時は商品をよくみて!
プラスチック製食器は、袋で包装されているものもあれば、ばら売りされているものもあり、販売形態は様々でした。100円ショップで購入したものはキズがついているもの(写真1)やゆず肌がみられるもの(写真2)がありました。
■品質に大きな違いはない
表示温度で変形したプラスチック製食器 原料樹脂は全銘柄とも表示どおりでした。
耐熱試験を行った結果、耐熱温度が表示されている7銘柄のうち1銘柄は表示温度で変形しました。
(写真3)。
耐熱温度の表示がない7銘柄の耐熱温度は90〜150℃でした。
煮沸試験では、全ての銘柄ともJIS(日本工業規格)を満たしていました。しかし、試験後、食器の内側 に貼ってあるシールが縮んだものが1銘柄ありました。
食器を沸騰水に入れると変形するものがありました。このような食器は電子レンジで使用すると変形を生ずることが考えられます。注意表示がないものでも電子レンジでの調理は避けましょう。
食器から溶出する化学物質の試験では、全ての銘柄で食品衛生法の基準値を満たしていました。
今回のテスト結果で、100円ショップで購入した食器とデパートで購入したものと品質的に大きな違いはみられませんでした。
■消費者へのアドバイス
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ばら売りの食器は、購入時にキズなど異常がないか確かめて選びましょう。 |
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使用前には取扱い上の注意をよく確認して使用しましょう。 |
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プラスチック製食器は電子レンジでの調理に向かないので、注意書きがなくても電子レンジでの使用は避けましょう。 |
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