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商品テスト情報 |
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ダイエット食品をうたった健康食品
近年、食生活の飽食化・欧米化により、生活習慣病の増加がみられ、その予防・改善のために食事のエネルギー制限をする人が多くみられます。
その中で、食事のエネルギー制限をせず、通常の食事をしながらダイエットができるとうたった商品が出回っています。
そこで、スーパー、薬局で購入した14銘柄をテストしました。(平成11年6月購入)
■テストした商品は?
食事の後に食べる錠剤の形状をした商品14銘柄で、ガウクルア含有食品、トウガラシ加工食品、キトサン加工食品、植物エキス加工食品などをテストしました。
■表示すべき事項はすべてにあり
食品衛生法で、容器包装された食品は名称、原材料名、消費期限及び品質保持期限、製造者の名称及び所在地を正しく表示すること、また、計量法では、内容物の質量を正しく表示することになっており、 全銘柄に表示がありました。栄養成分表示は10銘柄に表示されていました。また、(財)日本健康・栄養食品協会が自主基準で規格を設定し、認定したマーク(JHFAマーク)が表示された商品はありませんでした。
また、センナ茎を含有することを表示した商品が2銘柄ありました。センナは便秘緩和の薬として葉が利用されていますが、茎は医薬品としての規定がないためダイエット食品に使用されることがあります。
■うたい文句を信じこまない
商品の外箱や瓶のラベルに「ダイエット」の単語が全銘柄に表示されていました。これ以外に「スリム」「脂肪」「スッキリ」など、消費者に過度の期待をさせる表示がされているものもありました。
また、「ボディラインをスッキリ」と特定部位への痩身効果や「夜飲んで朝スッキリ」と便通の改善など医薬品的効能効果と受け取れる表示がありました。しかし、このような効果は医薬品でなければ表示できな いので注意して確認することが大切です。
■含まれている栄養成分は
1日当たりの使用量中の栄養成分量は、熱量が7.1〜30.6kcal、平均11.3kcal、たんぱく質が0.01〜 1.23g、平均0.3g、脂質が0.01〜2.76g、平均0.3gでした。たんぱく質はアミノ酸ペプチドを含む商品で高 い値となりました。脂質を多く含むものはリノール酸を主成分とするためで、その他のものは1g以下でした。
食物繊維には食物の腸内滞留時間を短くして便秘防止等の効能があり、肥満等の生活習慣病予防に役 立つことがわかってきました。しかし、1日当たりの含有量は、0.01〜1.95gで、食物繊維を強調したものでも栄養補給が期待できる量ではありませんでした。
■現代人に不足ぎみの栄養素は?
現代の食生活で不足しているミネラルは、カルシウムが2〜203mg、鉄が0.1〜15.4mgで、カルシウムを含まないものが3銘柄ありました。また、含まれているものでも栄養補給の面では難しいものもありました。
ビタミンB1は体内で糖質代謝などに関係することが知られており、所要量より多く含むのが5銘柄ありました。
ビタミンCはコラーゲン生成やアミノ酸代謝などに関係し、鉄の吸収を促進する働きを持ち、1日の所要量を満たすものが2銘柄ありました。ビタミンCは通常の食生活で所要量の2倍以上摂取しており、野菜、果物等の食事から補給しやすい栄養素です。
■購入する前によく考えて!
第1に健康食品は食品であって医薬品的な効果や効能は望めないことを再確認しましょう。
商品の外箱には様々なうたい文句が表示され、使用すれば自然に減量できるかと思わせるものがありますが、そのような効果をもつものは医薬品と考えられます。また、健康食品はすべての人に表示のような減量効果をもたらすとは限りません。
日頃から正しい食生活に心がけ、よく考えてから使用しましょう。
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