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商品テスト情報
 
介護用食品

 高齢になると歯が抜けたりかむ力が弱くなったりするため、食事が困難になる場合があります。最近では、やわらかく飲みこみやすいとされる高齢者向けの介護用食品が販売されています。
 そこで雑誌やホームページなどで紹介されている介護用レトルト食品10銘柄について栄養成分、かたさなどをテストしました。(平成13年度6月購入)

■栄養成分表示
 食品衛生法に定められた表示事項である品質保持期限、製造者名等、殺菌方法などは適正に表示されていました。
 栄養表示基準では、次の5項目は必ず表示するように定められており、熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物(または糖質)、ナトリウムの順番で表示することになっていますが、すべての銘柄で適正に表示されていました。その他の栄養成分では、銘柄によって表示のあるものとないものがありました。

No. 品名
1 かぼちゃの含め煮
2 肉じゃが
3 ビーフシチュー
4 かれいと大根の煮物
5 鮭と野菜の炊き合わせ
6 野菜の煮物
7 肉じゃが
8 豆腐入り五目煮
9 里芋の煮物
10 肉じゃが
■やわらかさの表示
 やわらかさを示す「ミキサーでブレンド」、「やわらかく仕上げ、とろみをつけて食べやすく」、「舌と上あごでつぶせます」などの表示がNo.1を除く9銘柄でありました。この中で No.9、10は栄養改善法に基づく高齢者用食品・そしゃく困難者用食品として表示されていました。

■かたさ
 高齢者用食品のかたさ試験方法に準じて各銘柄のかたさを測定してみました。すべての銘柄で、高齢者用食品の固形物(煮物等)の基準である5×104N/m2以下を満たしており、すべての銘柄とも飲みこみやすい食品といえると思われます。高齢者用食品と表示されていたNo.9、10はそれぞれ2.433×103N/m2、1.872×103N/m2でした。全体的に見た感じからも、普通の食品と比較して具が細かく、とろみがありました。  かたさと水分の割合との関係は、水分の割合が多いほどかたさが低い(やわらかい)傾向を示していました。

■カルシウム量は差があった
 野菜を主原材料とするNo1、6はたんぱく質、脂質とも1g未満で少なく、熱量も低くなっていました。
 カルシウムは、銘柄によって含有量の差が大きくなっていました。No.2〜5は81.9〜166.7mgと多く、原材料名の表示をみるとNo.3〜5は卵殻Caが、No.4、5は乳酸Caが含まれていました。その他の銘柄は5.8〜19.6mgでした。食物繊維は0.96〜4.36gであり、No.9、 10は表示(6.0g)と比較すると半分以下の値でした。
 カルシウムは、骨や歯を丈夫にするものであり、更年期以降の女性は、骨粗しょう症の予防のため特に必要な栄養成分です。食物繊維は便通をよくし、腸内のバランスをよくする効果があります。カルシウムと食物繊維は、現代の食生活で摂取不足気味なので、意識して摂取するようにしましょう。

■同じ肉じゃがでも
 No.2、7、10の3種類の肉じゃがを比較すると、同じ肉じゃがでも、栄養成分量に差がありました。No.2はたんぱく質、カルシウムが多めで、塩分が少なめでした。No.7は熱量が低めで、たんぱく質、塩分が少なめでした。No.10は糖質、塩分が多めで、たんぱく質が少なめでした。購入の際にはよく栄養成分表示を比較して商品を選択してほしいものです。

■1日の栄養所要量と比較すると
 1日の栄養所要量に対する充足率は、摂取基準が設定されている熱量、たんぱく質、脂質、食物繊維、カルシウム、鉄の6項目において、すべての銘柄で30%未満でした。 1回の食事で1日の栄養所要量の1/3である約30%を必要と考えると、他の食品も組み合わせてバランスのよい食事を心がけるとよいでしょう。


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