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商品テスト情報 |
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低価格の肌着類(独立行政法人 製品評価技術基盤機構による支援テスト)
肌着類は毎日着用するためにライフサイクルが短く、価格を重視する消費者も少なくはないでしょう。しかし、低価格であっても直接肌に触れるものであるため「品質」や「安全性」を軽視することはできません。
そこで低価格(単価100〜390円(税抜))の肌着類22銘柄について、表示や縫製を確認するとともに基本的な品質性能やホルムアルデヒド含有量などをテストし、 JIS(日本工業規格)に定められている下着類の品質基準(JIS L 4107)と比較しました。
(平成14年度11月購入)
■表示
肌着類の表示すべき項目は、家庭用品品質表示法により決められています。表示者名とその連絡先(住所または電話番号)は必ず表示しなければなりませんが、 3銘柄で表示されていませんでした。
また、原産国表示がすべてにされており、2銘柄が日本製であり、その他はすべて中国製でした。
■外観や縫製
個包装されていなかったもの9銘柄、個包装されていたもの13銘柄であり、未開封の状態ではすべてにおいて異常は見られませんでした。しかし、包装を開けて見てみると新品にもかかわらず、汚れがあったり、編みきずがあるものもありました。また、裏返して見ると縫い糸や肩の縫いしろ部分の始末の悪さが、Tシャツに多く見られました。
このように外観・縫製に何らかの問題が見られたのは、すべて単価100円の11銘柄でした。 100円の肌着でも女性用パンツと紳士用靴下の3銘柄、それから100円以上の肌着では問題は見られませんでした。
特に個包装されている100円肌着に汚れや縫製の悪さ等が目立っていました。
■基本的な品質 JIS(日本工業規格)により、下着類としての品質の基準が定められています(JIS L 4107)。この基準とテスト対象商品のテスト結果を比較し、基本的な品質を評価しました。
・繊維の組成
繊維の組成をテストしたところ、2銘柄において表示と異なる組成であることがわかりました。 2銘柄とも綿とポリエステルが組み合わされていましたが、その割合が表示と比べると許容範囲(±5%)を大きく越えていました。その他は、適正に表示されていました。
・色あせ、色移り(染色堅ろう度)
洗濯、光、汗、摩擦の4項目に対する染色堅ろう度をテストしました。
洗濯と汗による色あせや色移りが4銘柄で見られ、JISの基準を満たしていませんでした。また、光や摩擦に対する染色堅ろう度は、すべてJISの下着類の基準を満たしていました。
色あせ:色落ちの度合いを測定
色移り:色落ちによる白布への色移りの度合いを測定
・生地の強さ(破裂強さ)
生地に垂直な力を加えていき、破けたときの力を測定しました。最も破けにくかったのは紳士用靴下であり、逆に最も破けやすかったのは女性用靴下でした。その他は、銘柄による大きな違いは見られず、基準を満たしていました。
・寸法変化
洗濯を1回、10回繰り返し、襟や裾などの寸法変化率を測定しました。 1回の洗濯処理後、6銘柄で基準を超える寸法変化が見られました。さらに10回繰り返した後、基準を超える寸法変化は11銘柄に増えました。
よこに伸びたてに縮む 2銘柄
袖や裾が伸びる 5銘柄
全体に縮む 4銘柄
最も大きく変化していたのは、たて方向に最大15.5%縮み、よこ方向に30.0%伸びていました。また、洗濯を繰り返すことにより、斜行したものが5銘柄ありました。
・ホルムアルデヒド含有量
粘膜刺激や皮膚アレルギーを起こす有害物質として、法律によって規制されているホルムアルデヒドの含有量をテストしました。すべての銘柄で基準値よりも低い結果となり、安全性に問題はないことが分かりました。
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安全性に問題はありませんでしたが、寸法変化など基本的な品質がJIS規格を下回るものも多くありました。 |
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個包装された100円の肌着は、縫製の悪いものが多くありました。 |
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