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長崎県の多重債務者対策 |
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◆ 多重債務に陥らないために
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多重債務問題でお悩みの方へ |
多重債務とは、消費者金融等からの金銭の借り入れや、クレジットの利用により発生した債務が本人の返済能力を超えることです。
平成18年度の1年間で、県消費生活センターが受けた相談件数は、6,739件となっています。そのうち多重債務に係る相談は1,352件で、相談件数の20.1%を占めています。平成17年度の相談件数は7,944件で、そのうち多重債務に係る相談件数が1,224件で15.4%を占めています。この数値が示しているのは、1年間の相談件数は、7,944件から6,739件と減少しているのに、多重債務に係る相談件数は、1,224件から1,352 件、率にして、10.5%の伸び率となっていることです。
多重債務に係る相談件数が増加した原因は、種々あリますが、一つには、出資法(正式には、「出資の受入れ、預け金及び金利等の取締りに関する法律」といいます。)が平成18年12月に改正され、金利が29.2%から20.0%に、平成21年12月末をめどに引き下げられることです。
私たちが、消費者金融などからお金を借りる場合、借りたお金に対して、金融機関などが請求できる利息の最高限度が、利息制限法で決められています。借りたお金、これを元本といいますが、元本が10万円未満であれば金利は年20%まで、元本が10万円以上100万円未満であれば金利は年18%まで、元本が 100万円以上であれば金利は15%までとなっています。
従って、例えば、私たちが100万円のお金を消費者金融などから借りた場合、1年後に支払う利息は、利息制限法では、15万円となります。
しかし、出資法では、29.2%までの利息を消費者金融などの業者が請求しても、刑事罰を課されることはありません。ちなみに、刑事罰は、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金となっています。
そして、利息制限法(15%〜20%)と出資法(29.2%)の間の金利については、いわゆる「みなし弁済」というものが貸金業法で認められていて、一定の要件を満たせば、その差額の金利を請求できました。つまり、利息制限法では、100万円の元本に対して利息は15万円ですが、「みなし弁済」により29 万2千円まで、請求できていました。
しかし、最高裁の判決により、この「みなし弁済」が認められることは、非常に厳しくなりました。端的に言えば、現在の判例では、「みなし弁済」が認められる余地は、ほとんどないと言ってよいくらいです。従って、100万円を借りた場合の利息は、最高限度29.2万円でなく、15万円でよいのです。29.2 万円−15万円=14.2万円は、払い過ぎとなります。この差額を、消費者金融などの金融機関から請求できます。
返済期間が数年にわたる人は、利息制限法の利率に引き直した場合、元本の弁済も終わっているのに、なお、支払い続けている場合もあります。この場合は、利息制限法の利率で計算をし直して、払い過ぎ分の返金を求める事になります。
金融機関が返金に応じない場合は、弁護士、司法書士に依頼して裁判することになりますが、支払いを求める金額が60万円以下であれば、簡易裁判所に原則1回行くだけで紛争が解決できる少額訴訟制度というものがあります。
多重債務問題は必ず解決します。一人で悩まず早めに相談しましょう。
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努力をしても借金を返済できない状況になった場合には、返済のために新たな借金をしてはいけません。恐ろしいヤミ金融の被害に遭うおそれもあるなど、かえって問題を悪化させてしまう結果となりがちです。多重債務に陥った場合には、今すぐ最寄りの市町消費者行政窓口又は県消費生活センターへご相談下さい。また、県弁護士会、県司法書士会、日本司法支援センター長崎地方事務所等でも相談を受けられますので、一人で悩まずに、まずは、ご連絡下さい。
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